投稿日:2020年12月12日

コワーキングスペース会員管理システムを、会員さんと一緒に作りました

※この記事は、コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2020 12月12日(土)担当分として執筆したものです。

こんにちは。東京・五反田のコワーキングスペース「Contentz」管理人の鬼頭佳代です。Contentzは編集プロダクションの有限会社ノオトが運営する仕事場で、私の主務は編集者・ライターです。

全く想像もできないことばかり起こった2020年。緊急事態宣言下での短縮営業や交流イベントの中止など、Contentzでできることもきゅっと縮小してしまい、寂しさを感じた年でもありました。

もうしばらくはコロナの猛威との戦いが続きそうな今、人とのリアルな場の交流を増やしたいコワーキングスペースにとっては「準備の時間」なのかもしれません。

そこで、今回は「時間を作ってやっておいて良かった!」と心のそこから思う、会員管理システム開発の話をします。

 

●増床をすると、ソフト面でのコストもすごく増える

事の発端は、2018年冬のContentz増床でした。フリーデスクのコワーキングスペースの隣の部屋を借りたことで面積が一気に広がり、貸出スペースは5種類、各スペースの料金形態も複雑になりました。

ありがたいことに会員数増加も重なり、管理人(1人・兼務)は、特に業務が重なる月末にはてんてこ舞い&計算ミスの嵐に……。

<管理方法の一部&お悩み>
・会員さんの情報をまとめたツールが手打ちで管理(Excel)
・会員さんの利用料が銀行振込だけしか用意できない
・スペース予約は直接メッセージで問い合わせ&都度返信&手作業でGoogleカレンダーに予約
・社員と会員さんのスペース予約がダブルブッキング
・スペース予約やオプションの計算が複雑で、会員も管理側も把握困難に……
・増床に伴い受付が遠くなり、来客を見逃すことがある……etc.

当時の管理方法は、このように一応、ITツールを使っていたのですが、すごーーーくアナログでした(笑)

もちろん受付や予約は既存のツールを組み合わせて解決を図っていましたが、なかなかスムーズにいかなかったうえ、無料版を中心に使っていたので、機能制限にひっかかることもしばしば……。

とはいえ、各ツールを有料版にアップグレードしたところで楽になるのか、はたまたその投資分がどのくらいで回収できるのか、イマイチ見えていない状態でした。

そんな2019年夏、「Contentzの利用料と、コワーキングスペースの管理システムの開発をバーターにしませんか?」お声かけしてくださったのが、Contentz会員でエンジニアの斉藤秀一さん(合同会社ダブミリ代表)。

私たちとしては願ったり叶ったりというか、単純にただただ良いお話でした。

斉藤さんは私が個別メッセージでやりとりをしていて、不在のためすぐに対応できないことがあるのをしばしば見ていた様子。まさに「利用しているから見える悩み」を感じてくれていたのです。

ここから、数カ月かけて「コワーキングスペース全体管理システム」開発プロジェクトが動きだしました。

 

●完成したのはこんなツール

現在、私たちが使っているのはこんなツールです! 名称は、コワーキングスペース会員管理システム「co-member(コメンバー)」。会員登録型のコワーキングスペースに必要な機能がオールインワンで入っているのが最大の特徴でしょう。

【できることの一部】
・会員登録(会員さんごとにオプションや区分を設定できる)
・館内のスペース予約システム
・月額利用料+スペース利用料をまとめてクレジットカードで決済
・iPadでの受付通知システム(チャットワーク、slack、メール、電話と連動)
etc.

これによって、Contentzが抱えていた課題はすべて解決しました

例)
・会員さんの情報をまとめたツールが手打ちで管理(Excel)
→システムの中に一元管理!
・会員さんの利用料が銀行振込だけしか用意できない
→クレジットカード支払い可能に!
・スペース予約は直接メッセージで問い合わせ&都度返信&手作業でGoogleカレンダーに予約
→システム上でカレンダーを操作するだけ! キャンセルも会員自身でコントロール可能。
・社員と会員さんのスペース予約がダブルブッキング
→カレンダーの一元化によって解消!
・スペース予約やオプションの計算が複雑で、会員も管理側も把握困難に……
→予約や最初のオプション設定で自動計算&引落し
・増床に伴い受付が遠くなり、来客を見逃すことがある……
→会員システムに連動した受付で、会員さんも社員も受付がスムーズに!

実際のところ、管理担当者の作業時間は激減しました。感覚では3分の1くらいになったように思います。

さらに、利用者さん側もスペーズ予約・キャンセル時にいちいち管理人に連絡しなくても良くなり、さらに銀行振込の手間もなくなったため、もろもろ楽に!

本格運用開始から約1年がたった今。全く問題なく活用され、このシステムがなかったら、編集者兼任コワーキングスペース運営者としては働けないレベルに陥っていたかもしれません。

使ってみたい方がいたら、ぜひダブミリさんまでご連絡を。こちらのデモサイトからも操作をお試しいただけます。

 

●いま、振り返ってみて気づいた3つのこと

ここからは、ITシステム開発は素人のコワーキングスペース運営者がこの開発を通して、感じたことを振り返ってみます。

 

1. どんな機能が必要なのか?をちゃんと棚卸しして考える

開発は、大まかに言うと下記のような流れで進みました。

1、ほしい機能についてディスカッション
2、開発したものとのニーズをすり合わせ
3、メンバーさんの一部にテスト利用してもらう
4、本ローンチ

振り返ってみると、まず課題はたくさんあるものの「自分のコワーキングスペースに必要な機能ってなんだろう?」がなかなかきれいにできず、たくさんご迷惑もおかけしました。

とはいえ、コワーキングスペースの実務について把握しているのは自分なので、まずは自分の困りごとや時間がかかっている作業をとにかく書き出し、どの部分を楽にできるとインパクトがあるのかを順番に整理していきました。

なんとなく自分の努力や作業量でカバーしている大変さがあったとしても、言語化しなければ伝わりません。普段何気なくやっていることをココで棚卸しできたのは、純粋に運営目線でも良かったです。

幸いにも斉藤さんがContentz会員で打ち合わせもコワーキングスペース内でしていたからこそ、「こういうことがしたい」「ここの使い方に困っている」がよりうまく具体的に共有できたのかなと思います。

とはいえ、素人だったので斉藤さんの話をよく聞き、ほしい機能についてはできるだけ言語化したり、どういう悩みがあるのかを明確に伝えたり、できること・できないことについてきちんと聞くように心がけていました。

 

2. 後回しにせず、後の自分を楽にするための投資はとても大切

日々の運営に精を出していると、利用者さんとの交流を大事にしたい、起こっているトラブルを迅速に解決したい……と、目の前のことだけに終始しがちです。

私もまさにそうで、会員管理という根幹の整備はいわゆる「緊急」じゃないけれど、「重要」なこと。自分しかやる人がいないタスクは簡単に後回しにできてしまうので、「やらないといけない〜」と思いつつ、長い間着手できずにいました。

幸いにも、斉藤さんからのお声掛けがあり、会員さんを巻き込んだからこそ、なんとか動き出せたし、動かし続けられたと感じています。

もしこのシステムの準備を2019年にできていなかったら、緊急事態宣言下でも、まだ現金のやりとりをしていたのかもしれませんし、より多くの作業が発生していたかもしれません……。

日々のやることはそれなりにあり、やろうと思えば何でもできてしまうコワーキングスペース。長期的に見て重要なことへ、時間を投資する重要性を痛感しました。

 

3. コワーキングスペースだからこそ、運営側と会員さんにも協働の可能性がある

2019年のアドベントカレンダーでは交流会について書きましたが、やはり一人で何かをするのは限界があります。

特に今回のシステム開発は、私一人では絶対にできないことでした。

さまざまな才能を持つ方の集まる場所だからこそ、新しいものが生みだせる。これはまさにすごく「コワーキングスペース的な体験」だったと感じます。

利用者さん同士でなにかいいものが生まれるといいな、という気持ちはもちろん持っています。しかし、「コワーキングスペース運営者自身もそのシナジーに参加することができた」という経験は、私にとっても大きな気づきであり、コワーキングスペースの可能性を改めて感じることができました。

そして、改めて開発にご協力いただいた斉藤さんに心からの感謝をお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました!

 

●おわりに:今だからこそ、できることってなんだろう

営業時間をどうするか、どういうスタッフの体制にすればいいのか、どんな対策をすればいいのか。過去にないことをたくさん思考した2020年。まだまだ答えは見つかりませんが、「今だからこそ、できることってなんだろう」を考え続けたいと思います。

そんなContentzですが、実は外部の方にもスペースをお貸し出ししています。もちろん、管理システムの機能でらくらく予約できますよ。

【まとめ】コワーキングスタジオContentzご利用の流れ(予約方法・料金・サービス、お支払いなど)

リモートワークの合間に少人数で打ち合わせができる会議室を借りたい方、窓の大きなスペースでインタビューをしたい方などさまざまなニーズにお答えしています。

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせくださいね!

明日の担当は、ワークテラス佐久の江原さんです!

コワーキングスペース・スタジオ Contentzは、2024年4月30日をもって閉館しました。仕事場として、イベント会場として、長らくご愛用いただき、誠にありがとうございました。

有限会社の音

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